世界遺産・仁和寺「寺ケア2025」音楽企画の舞台裏 ──門跡寺院で生まれた「響縁の奏」と安田音楽制作事務所の仕事

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世界遺産・仁和寺「寺ケア2025」音楽企画の舞台裏 ──門跡寺院で生まれた「響縁の奏」と安田音楽制作事務所の仕事

世界遺産・仁和寺「寺ケア2025」音楽企画の舞台裏 ──門跡寺院で生まれた「響縁の奏」と安田音楽制作事務所の仕事

2025/12/02

世界遺産・仁和寺で「ケアのための音楽」をデザインする

「寺ケア2025 omoiyari&フェムテック in 京都」

2025年11月3日から9日まで、京都の世界遺産・仁和寺で開催された
「寺ケア2025 omoiyari&フェムテック in 京都」

医療、フェムテック、アート、トークセッション…さまざまなプログラムが並ぶ一週間の中で、
安田音楽制作事務所は、

  • 宸殿での開幕式・音楽奉納
  • 北庭でのサプライズ歌唱
  • 通常非公開・観音堂での特別拝観「観音堂 響縁の奏 ― 音楽による心の共鳴と感性の対話」

という3つの音楽企画の構成・演出・出演を担当しました。

世界遺産の寺院での本格的な音楽プロジェクトは、
平等院鳳凰堂、醍醐寺に続いて、今回が三か所目。

これまでの二つの現場では「演奏家として呼ばれて歌う」ことが主な役割でしたが、
仁和寺では、

「門跡寺院という特別な場所に、どのような音楽と演出ならふさわしいのか」

「門跡寺院という特別な場所に、どのような音楽と演出ならふさわしいのか」をゼロから考え、企画段階から深く関わるプロジェクトとなりました。

このブログでは「レポート」という形をとりながらも、
安田旺司がどう現場を見て、どんな意図で音楽をデザインしたのかを
できるだけ丁寧に書いてみたいと思います。

寺院での特別拝観や、ホテル・企業イベントでの音楽演出をご検討の方の
参考になればうれしく思います。

ご縁の出発点は「企業家クラブ」の同期から

今回のプロジェクトのきっかけをくださったのは、
イベント主催者である 株式会社MIWAIKEHATA 代表・池端美和さん です。

池端さんと安田は、2018年、同じ「企業家クラブ」の同期として出会いました。
それ以来、経営者として、また一人の人間として、それぞれの現場で挑戦を続けながら
互いの活動を見守ってきた関係です。

2025年夏、池端さんから

「仁和寺で開催する『寺ケア2025』の音楽部分を、ぜひ安田さんに任せたい」

というメッセージをいただきました。
最初のお電話の段階で、すでに仁和寺という大きな器と、
「ケア」「フェムテック」「思いやり(omoiyari)」というキーワードが
頭の中でつながり始めていたのを覚えています。

依頼をいただいたのは7月頃。本番までは約3か月。
さっそく仁和寺へロケハンに伺い、境内を歩きながら
「この場所で音を鳴らすなら」と、ひとつひとつのポイントを見て回りました。

仁和寺で感じたのは、ローマ・サン・ピエトロ寺院と同じ“息づかい”

仁和寺を最初に訪れたとき、思わず心の中で
「ローマのサン・ピエトロだ」とつぶやいていました。

11年間暮らしたローマで、私は多くの教会やホールで歌わせていただきました。
サン・ピエトロ寺院には、建物の大きさだけではなく
「人の祈りが長い時間をかけて積み重なってきた重み」があります。

仁和寺の境内に立ったとき、まさに同じ種類の空気を感じました。
単に「世界遺産」という肩書きでは説明できない、
時間の層と、人々の想いが折り重なっている場所です。

寺社仏閣で歌う機会はこれまでにも数多くいただいていますが、
仁和寺はその中でもひときわ特別な存在でした。
歩くたびに「ここなら、こんな音が似合う」「この視界には、あの曲調が合う」と、
映像と音楽が同時に浮かんでくる感覚がありました。

滋賀県・山王総本宮日吉大社で、20回にわたり奉納演奏や音楽イベントを
企画してきた経験も、今回の構成に大きく役立ちました。

どこまで音量を上げてよいか

どこからが「演奏会」で、どこまでが「祈りの時間」なのか

一般拝観の方の暮らしと、特別なイベントをどう共存させるか

こうした感覚的なラインは、
数値やマニュアルではなく、現場での経験と対話の積み重ねからしか
見えてこない部分だと思っています。

全体コンセプトは「音楽による心の共鳴と感性の対話」

今回の3つの音楽企画には、
共通するコンセプトとして

音楽による心の共鳴と感性の対話

という言葉を置きました。

  • 宸殿では「場を静かに立ち上げる音」
  • 北庭では「偶然その場に居合わせた方への、小さなギフト」
  • 観音堂では「拝観そのものを深める、響きとしての音」

同じ歌い手・同じイベントであっても、
場所と時間が変われば、音楽に求められる役割はまったく変わります。

「コンサートを3本やる」のではなく、
仁和寺というひとつの大きな器の中で「3種類の音楽のあり方」を
設計するイメージで構成していきました。

宸殿:静かに「祈りの時間」を起動させるオープニング

関係者35名だけが立ち会った開幕式

11月3日の初日、最初の現場は 宸殿での開幕式 でした。
通常は拝観者が入ることのない空間で、関係者35名のみが参加する
クローズドな式典です。

演奏は、

  • バリトン:安田旺司
  • 弦楽四重奏:安田音楽制作事務所専属 SAKURA弦楽カルテット

という編成。

朝8時からリハーサルを行い、響きの具合や座席の配置、
主催者の視線の先に何が見えるかまで、ひとつひとつ確認していきました。

G線上のアリアで、空気を「整える」

全員が宸殿に揃い、静かに座られたのを確認してから、
まずSAKURA弦楽カルテットが 「G線上のアリア」 を奏で始めました。

約5分間、音量を上げて高揚させるのではなく、
むしろ呼吸を深め、視線を内側に向けるようなイメージで演奏します。

ここから先は、「日常の会議」ではなく「祈りの時間」です。

というメッセージを、言葉ではなく音楽でそっとお伝えする。
これが最初の役割でした。

ア・カペラの祈りから、日本舞踊とのコラボレーションへ

主催・共催の皆さまへのお祝いと感謝の言葉を述べた後、
私は伴奏なしで 「You Raise Me Up」 をア・カペラで歌いました。

宸殿の静けさに、声だけが浮かび上がる数分間。
「歌う」というより「場にお返しする」ような感覚に近い時間でした。

続いて、SAKURAによる「パッヘルベルのカノン」。
そして三曲目は、日本舞踊 葉月流二代目家元・葉月雛丸さんと
ドビュッシー「月の光」のコラボレーションです。

弦の音と舞、そして宸殿という建物そのものが
一枚の屏風絵のように重なっていく――
そんな印象的な瞬間が訪れました。

式典後、主催の池端さんからは、

「開幕式の音楽が本当に素晴らしくて、参加者の皆さんからもたくさんメッセージをいただきました」

というお言葉を頂きました。

「音楽が目立ちすぎない」「でも確実に場を変えていく」
そのバランスを評価していただけたように感じています。

北庭:たまたま居合わせた人のための“4分間のギフト”

五重塔を背景にした一発勝負の歌

二つ目の企画は、11月8日15時に行った 北庭でのサプライズ歌唱 です。

場所は、宸殿から北庭を眺めたとき、池の向こうに見える小高い丘の上。
その背後には五重塔がそびえ、まさに仁和寺の代表的な景色が広がっています。

仁和寺からいただいた条件は、

  • 一般拝観の妨げにならないこと
  • 演奏は一曲のみ、約4分間

というシンプルかつ厳格なもの。

事前告知なし、リハーサルなしの一発勝負で、
音源伴奏に合わせて再び「You Raise Me Up」を歌いました。

音響は、丘の裏側にYAMAHA STAGEPAS 1Kを配置し、
大型モバイルバッテリーで駆動。
私はワイヤレスピンマイクを付け、
「北庭全体に届きつつ、静けさを壊さない音量」を
これまでの経験と勘で決めていきました。

自然の音と混ざりあう、一期一会のサウンド

突然、どこからともなく歌声が聞こえてきて、
最初は皆さん「え?」という表情をされます。

それでも曲が進むにつれて、池越しにこちらを見上げる方、
スマートフォンをそっと下ろして耳を澄ませる方が増えていきました。

歌い終えると、庭のあちこちから自然な拍手が湧き起こり、
その音が水面で揺れながら広がっていきます。

印象的だったのは、
滝の流れる音、風の音、小鳥のさえずりが演奏に重なり、
**「この時間、この場所でしか生まれない音」**になっていったことです。

開幕式や観音堂のような「予約制の特別な場」とは違い、
この北庭での4分間だけは、

「たまたま仁和寺を選んで訪れてくださった、すべての方への無料のギフト」

として設計しました。
寺院での出張演奏の、もうひとつのかたちだと感じています。

観音堂:「拝観そのものを深めるための音楽」という挑戦

「コンサート」ではなく、「特別拝観」として組み立てる

三つ目の企画が、最終日11月9日の
**観音堂 特別拝観「観音堂 響縁の奏 ― 音楽による心の共鳴と感性の対話」**です。

通常非公開の観音堂に40名限定でお入りいただき、
千手観音菩薩立像と堂内の空間を、音楽と共に体験していただく場として設計しました。

出演は、

  • 歌:安田旺司
  • ピアノ:小林千夏

ピアノには、グランドピアノ型の電子ピアノ Roland GP6 を搬入。
見た目のシルエットも含めて、観音堂の雰囲気を壊さないよう
配置や角度を何度も確認しました。

ここで一番こだわったのは、

「これはコンサートではなく、特別拝観である」

という位置づけを最後まで崩さないことでした。

  • 私語厳禁
  • 土足厳禁
  • 撮影厳禁

という通常のルールに加え、
この日は**「拍手もご遠慮ください」**とお願いしました。

45分間で10曲。
日本と世界の名曲を中心に組み立てながらも、
一曲一曲を「見せ場」として並べるのではなく、

曲と曲のあいだの静けさも含めて、観音堂と対話していただく

ことを意識しました。

響きを補う音響と、「いつもの明かり」でつくる特別な時間

観音堂は本来とてもよく響く空間ですが、
特別拝観用に外陣にはカーペットが敷かれており、
その分だけ音が吸われてしまう部分があります。

そこで、歌声にはほんの少しだけ音響の補助を入れました。
私はワイヤレスピンマイクを装着し、
スピーカーを千手観音菩薩の背後に設置。

内陣から外陣へ、椅子に座って拝観される皆さまのところへ
自然な形で声が届くように設えています。

照明は、特別なライトを追加することはせず、
観音堂にもともとある明かりだけを使用しました。

「特別な夜だからこそ、いつもの観音堂であってほしい」
そんな思いからの選択です。

プログラムの中には、ここでも「You Raise Me Up」を含めました。
宸殿・北庭・観音堂――
三つのまったく異なるシーンで同じ曲を歌うことで、
イベント全体を静かにつなぐ一本の糸のような役割を果たしてくれたと感じています。

終演後には、この日のために用意していただいた特別御朱印を
お一人お一人にお渡ししました。
15分後、境内ではライトアップと雲海ショーがスタート。

音楽体験と視覚的な演出が、ひとつの物語としてつながっていく夜になりました。

お客様の声が教えてくれた「響縁の奏」の意味

観音堂の特別拝観のあと、アンケートやメッセージを通じて
多くのご感想をいただきました。いくつかを要約してご紹介します。

  • 「本当に素敵な時間で、感動しました。いろんな人に今回のことを話しています。」
  • 「世界遺産の中で、こんな形で歌を聴けるなんて思ってもみませんでした。」
  • 「ある一曲で、千手観音菩薩さまの大きな愛に包まれているような感覚になりました。こんな気持ちになったのは初めてです。」
  • 「観音堂の中に響き渡る迫力と、包み込むような優しさ。観音さまや守護のお像のエネルギーと共鳴しているように感じました。」
  • 「音楽と御朱印、ライトアップと雲海まで、一連の流れとして体験できたことが一生の思い出になりました。」

副題として掲げた

「音楽による心の共鳴と感性の対話」
という言葉が、
お客様お一人お一人の体験として結実していたことを、
これらの声から強く感じました。

 

安田音楽制作事務所が大切にしていること

「音を運ぶ」のではなく、「場をつくる」

仁和寺での三つの企画は、

  • 門跡寺院・宸殿での厳かな開幕式
  • 北庭での4分間だけのサプライズソング
  • 観音堂での“拝観としての音楽”

という、まったく異なる性格の現場でした。

共通していたのは、

  • 会場の「格」と「空気」にふさわしい演出を考えること
  • 主催者の想いとイベントのコンセプトを、音で可視化すること
  • そこに集う人たちの心に、長く残る体験をつくること

です。

安田音楽制作事務所は、単に「音を運ぶ」出張演奏ではなく、
寺院・ホテル・企業イベント・学校公演など、それぞれの現場にあわせた
**「場づくりとしての音楽」**をお届けしたいと考えています。

世界遺産や歴史的建造物での特別企画はもちろん、
企業の周年行事やレセプション、学校の芸術鑑賞会などでも、
今回の仁和寺での経験を活かしながら、
その場ならではのプランをご提案できます。

「会場の雰囲気に寄り添った本物の生演奏がほしい」
「ありきたりではない、記憶に残る音楽企画を一緒に考えてほしい」

そう感じてくださった方がいらっしゃいましたら、
ぜひ一度、安田音楽制作事務所までご相談ください。

仁和寺での「響縁の奏」で出会ったような、
心が共鳴しあう時間を、あなたの会場でもご一緒できれば幸いです。

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